1996年の花巻です。初めて花巻を訪れたときの写真です。レンタサイクルを借りて、いろいろと散策しました。

 旅先で、自転車で走った気持ちよさってありません。夏でしたが、都心に比べれば岩手の夏はすがすがしかった。湿度が無いわけでわないのですが、自転車で駆け抜けるには問題ありません。借りた自転車は、軽快車、いわゆるママチャリでしたが、楽しかった。

 一日目は、歩いて回っていたのですが、さすが限界があり、二日目に、自転車を借りて、高村光太郎の高村山荘や、銀河鉄道のモチーフともいわれる陸橋まで行ったりしました。今調べたら、日が暮れるまでいろいろと散策して、6,70kmは、走っていたようです。

 それから、車を買い、折りたたみ自転車も買いましたが、自転車を旅先で乗ることは一度だけ。一つは、買った自転車の走り心地があまり良くないのと、自動車の所まで戻らなければ行けないもどかしさが有ったのかもしれません。

 それから、ちょうど14年経った(正確には14年と4日前)今日、2010年8月6日、自転車に乗るために花巻にきました。電車や自動車ではちょくちょく来ているのですが、サイクリングが目的なのはこれが初めてで、初輪行でもあります。新花巻駅です。昔より降りる人は増えたようですが、改札が混む感じはありません。新花巻駅のショップはかなり充実してきたと思います。駅の外には、昔からある、お土産屋&レストランの銀河プラザ”山猫軒(やまねこけん)駅前店”があるだけです。まずは、宮澤賢治記念館に向かいます。宮澤賢治記念館は丘の上にあるので、いきなり坂道です。準備運動も出来ていないままの坂は、やっぱり坂は大変です。

 宮澤賢治記念館の近くに、胡四王神社があります。坂を登って汗だくになったので、涼むことも兼ねて寄り道です。この神社は、坂上田村麻呂が東夷東征の際、戦勝を祈願し、兜と薬師如来を奉納したことに始まるそうです。また、宮澤賢治記念館のある丘陵には、実は散歩道があり、心地がいいのです。だいぶ前に来たときは、休憩用のベンチでお昼寝しました。あまり人が来ないのでほんとのんびりできるところです。

 軽く散策した程度では汗が引くこともなく、汗だくのまま宮澤賢治に入りました。
 記念館というだけ会って、宮澤賢治関連の展示がたくさんあります。物語や年譜は当然で、物語によく出てくるいろいろな石や天文の説明もあり、宮澤賢治が傾倒した仏教の話など、宮澤賢治の世界に踏み込みたい人にはとっておきの場所です。
 この記念館からポランの広場を通っておりていったところに、宮澤賢治に関する作品や研究論文が公開されている宮沢賢治イーハトーブ館があります。

 宮澤賢治記念館の近くの宮澤賢治童話村です。広大な広場があり、その周りに賢治の学校や散策用の小径等が設けられています。賢治の学校の方は、入場料が入りますがそれ以外は、無料です。
 賢治の学校は、草むらの巨大ジオラマや、宇宙をイメージした空間などを通りぬけたりして、アトラクションの楽しさも持っています。散策用の小径は、整備されていて歩きやすく、村内の山野草園は、森の草木が一度に見ることができます。

 宮守にある”銀河鉄道の夜”のモチーフと言われるめがね橋です。ここを、蒸気機関車が走ると絵になりますね。いまでこそ蒸気機関車はレトロですが、当時は一番のハイテクだったはず、そのまま、空に飛んでいてしまってもおかしくない風景です。
 写真をとろうとしてしばらく待ってみましたが、列車は走って来ませんでした。夜は、ライトアップされてるそうです。

 延々と山間をサイクリングして、前から見てみたかった、曲り家に着きました。初めてその名前を聞いたとき、大きな曲がった梁がある家だと想像したのですが、調べたところ、母屋と馬屋がL字型に配置されている家屋と知って興味が薄れたことも有り、来るのが後回しになってしまったところです。曲がり家は予想を反して、丘の上にありました。延々と自転車で坂を越えてきて、また坂を上るのは歩きとはいえども辛いです。

 遠野の五百羅漢です。去年、盛岡を散歩していて五百羅漢があったので、興味がてら遠野の五百羅漢に来てみました。仏像が整然と並んでいるわけではなく、大小の石に彫り込みがされている羅漢さまでした。掘ったお坊さんの思いが刻み込まれている空間でした。
 登って来るときに自動車用の標識に沿ってきたのですが、遠回りでおまけに坂がきつくて疲れました。市街地側から来た方が全然楽でした。

 有名なカッパ淵です。時間が止まってしまったような感じがする風景です。10年くらい前に来たときは、淵におじいさんが居て、記念にノートにお願いを書いて行くように言われた記憶があるのですが、今回は居ませんでした。もう亡くなられたのかな?過去のノートは伝承園の方で展示してあるようなことが書かれていました。

 カッパ淵近くにある、ホップ園です。青々と茂っていました。前に来たときは、ここにホップ園があるとは気づきませんでした。自動車で来ていた所為かもしれません。ここで栽培されているホップがキリン一番搾りに入っていると思うとすごく親近感が湧きます。

 今日の目的の一つだった、遠野東和自転車道です。遠野側のスタート地点の近くの橋にはカッパが鎮座しています。誰かのいたずらでしょう、カッパの手の上に石が乗っていました。遠野に来た記念に、遠野物語を読んでみました。ことしは、遠野物語発刊100周年記念だそうで、遠野のあちこちで記念の旗を見かけました。遠野物語に出てくる顔の赤いカッパは、きっと西洋人だったと思っています。

 サイクリングロードの途中で堰があったので、佐藤淳一さんに負けずと、写真をとってみました。蔵を思わせる風貌がすてきです。遠野市は景観に表示に力を入れていると思いました。

 遠野東和自転車道で感動した木造の橋です。歩行者と自転車のためだけにこんな立派な橋があるなんて感激です。遠野側の自転車道はとっても走りやすく心地よかったのですが、東和に向かうにつれてだんだんと整備が行き届いていないところが増えてきました。自転車道の整備にがんばってください。

 花巻に帰る途中に、土沢の七夕に来ました。帰りに買おうと土沢のたこ焼きは、露店に紛れて見つけることができませんでした。この道路を車両進入禁止にして、手踊りパレードが行われていました。町全体で開催しているお祭りが、何だかうらやましく思えました。

 だいぶ暗くなってから花巻の市街地に入りました。ホテルのレストランは終わっているだろうと思って途中のスーパーで買い物をしてホテル、グランシェール花巻に着いたのですが、シャワーを浴びておりてきても間に合う時間で、宿泊者向けに割引があったのもあって、初めてグランシェール花巻のレストランで夕食にしました。このあたりで有名な白金豚を使ったごまだれベースの麺でした。とってもおいしかったです。